2020年8月9日

オーディオ沼とヘッドホン改造

現在オーディオ、もっぱらイヤホン/ヘッドホンの収集にハマっています。きっかけは、昨年の夏に完全ワイヤレスイヤホンを購入したこと。当時3万円近くもしたのに、余りの人気のため一ヶ月待ちでした。

今までろくなオーディオ機器を使ってこなかったこともありますが、このイヤホンを聴いて感動したのがすべての始まりでした。

そして無線でこんなに良い音が出るなら、有線はもっと良い音がするのでは?
と、またお店で試聴して…。

さらにイヤホンだけ良いものを揃えても無意味と知り、アンプ、音源(Amazon Music HD)に手を出し、これだけソースが良いなら高級ヘッドホンだともっと良い音が聴けるに違いない(最初に戻る)…と順調に沼に沈んで行きました。

沼の底はさらに深みを増し、今ではヘッドホン改造とケーブル自作にハマっています。

一般的なヘッドホンケーブルは行き(+、あるいはHot)がLとR、帰り(GND)が一本に合流するアンバランスと呼ばれる形式です。プラグを見るとわかりますが、接触部が3つに分かれていて先端からL+、R+、そしてGNDです。ケーブルの中も3芯になっています。

対して、LとRにそれぞれ逆位相の信号(ー、あるいはCold)も送るのがバランスケーブルです。LとRにそれぞれ(+、-、GND)の3芯を用いる場合と、GNDを無視して(L+、Lー、R+、Rー)の4芯で行う場合があります。アンバランスとの音の違いについてはクロストークやノイズが云々と色々言われてますが、自分は詳しくないので他に譲ります。気になる方はググってみて下さい。

バランス駆動では音がもう感動的なまでに素晴らしい!‥‥というわけでもなく、とりあえず『違う』とだけ申し上げておきます。でも比較すると面白いですよ。私は可能ならバランスで聴く『バランス信者』になってしまいました。

バランスケーブルで音楽を聴くには、対応したヘッドホンと対応したアンプが必要です。でも私が惚れ込んだヘッドホン、ATH-AD2000Xは対応していません。よろしい、ならば改造だ。
※上の画像は改造済み。アンプACRO L1000にXLR4というプラグ規格で接続しています。


このヘッドホンは最初から先端まで4芯だったのでプラグを替えるだけで事足りました。ちょっと裂いて4本通っていることを確認してから、ぶっちーん!と切断します。
ふはは、これでもう後には引けません。

テスターでそれぞれどの信号か確認してから、プラグに半田付けして行きます。なお半田付けは久しぶりだったため、安くないプラグを2つお釈迦にしました。完成した上の画像にしても、改めて見ると酷いハンダです。というか端子の中でダンゴになっており、完全に接触不良です。

完成したものを聞いてみたら、音が歪んで元より明らかに悪くなっておりショックでした。後でちゃんとハンダし直し、今度こそ成功してその素晴らしい音色に酔いしれることができました。

個人的な意見としては、バランス駆動になることで左右の分離が広がり(音場が広がる)どこから音が聞こえてくるか明瞭になる(音の定位がはっきりする)感じがします。

もっとも、このヘッドホンのようにプラグ先端まで4芯のような場合は、あまり差が感じられないこともあります。高級な分、ケーブルの品質も良いですしね。

それからは、半田付けたーのしー♪と、ヘッドホンを手に入れては改造を繰り返してきました。先端のプラグを変えるだけでは接続出来る機器が限られてしまうため、根元からもぎ取って脱着式にします。

ヘッドホン側のジャックは画像のように綺麗に収まることもあれば、スペースが確保出来ずゴリゴリと内部を破壊することもあります。


アンプも、ポータブルから据え置き型まで色々手を付けました。音楽を聴くなら、PCやスマホのジャックに直接挿せば良いんじゃないの?と思われる方も多いかも知れませんが、そのジャックに至るまでは、DAC、プリアンプ、パワーアンプという3つの行程を通っています。
DAC(Digital Analog Converter)で元のデジタルデータをオーディオで聴けるアナログ信号に変換し、プリアンプで調整し、パワーアンプで増幅します。しかしながら、PCやスマホ内蔵のものでは到底満足出来る品質ではありません。
そこで、これらを外付けにして色々遊ぶ訳です。プリアンプとパワーアンプは、一体化してプリメインアンプと称することも多いです。またDACも内蔵していて、これをPCとUSBで繋げばそれだけでOK!というものも数多く商品化されています。


プリアンプ(プリメインアンプ)は音の個性に大きく関わる部分です。また、すでに過去の技術であるはずの真空管が未だに大活躍している分野でもあります。
これも個人的な意見ですが、デジタルチップを用いた一般的なアンプが冷たく乾いた音なら、真空管を用いたアンプは暖かく潤いのある音に感じます。真空管→デジタルの順で聞くと、そのドライさをより強く感じます。なので、真空管アンプは今でも根強い人気があるそうです。私もすっかりこの音のファンになりました。
DAC内臓アンプには、Bluetoothに対応した超小型のモデルも出ています。画像のFiio BTR3Kはこんなに小さいのに、スマホと組み合わせるだけでお手軽にハイレゾ環境を作ることができます。


と、こんな感じでこの1年間を駆け足で振り返ってみました。
買い漁ったイヤホン、ヘッドホン、アンプは以下の通りです。ヘッドホンは元から脱着可能なものを除き、すべてケーブル脱着式に改造しています。また、ケーブルや変換コネクタ類も多数自作しています。

以下、メインで使っている機器です。

イヤホン
JVC HA-FW01 カナル型 木製ハウジング
JVC HA-FX1100 カナル型 木製ハウジング 低音特化
JVC HA-FD01 カナル型 ステンレス
audio-technica ATH-CM2000Ti インイヤー型 チタンハウジング

ヘッドホン
audio-technica ATH-W1000X 密閉型 木製ハウジング
SONY MDR-1A ポータブル ケーブル脱着可

アンプ類
Astell&Kern ACRO L1000 Desktop Headphone Amplifier
FiiO Q1 MarkⅡ ポータブル
FiiO BTR5-B Bluetooth対応
FiiO BTR3K Bluetooth対応
LOXJIE P20 真空管

見返すと、完全に沼ですね。実はこれ以外にも…((((;゜Д゜)))。
ヘッドホンの改造については、また機会があれば詳しく書きたいなと思っています。

Amazon Music や Spotify など、CDを越える音楽サービスが出揃ってきました。
いやいや、その月額で永遠に聴けるCDが普通に買えますやん。ラックに並べ、ジャケットの楽しむこともできないなんて…と思っていましたが、これらストリーミングサービスの音源ってリマスター版が多いんですよ。聞き比べた結果、あっさりと手持ちのCDを手放す決心が付きました。それにちょっと気になった曲もすぐ聴くことが出来る…いやはや、凄い時代になったものです。

2 件のコメント:

  1. 初めまして。
    ATH-AD2000Xのバランス化で調べていたら、この記事にたどり着いたのですが、お聞きしたいことがあってコメントをさせていただきます。
    バランス化に至って、使用したイヤホンジャックの部品(型番等)を教えていただけたら幸いです。

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    1. コメントに全く気付いておりませんでした。申し訳ありません。
      ヘッドホン側に組み込むジャックのことと思われますが、マル信のジャックを何種類か使い分けています。
      オーテクのATH-AやATH-Wシリーズには、記事に掲載の写真の通りMJ-074Nがまるでしつらえたかのようにピタリと収まります。反面、ATH-AD2000Xなどはかなり特殊な構造になっていて、最も小さなタイプのものを無理矢理押し込んでいます。それでも収まりきらず、先端部が少し音に露出してしまっています。
      最近のオーテク標準であるA2DCのジャックなら綺麗に収まりそうなのでいつか挑戦したいのですが、逆にジャックが小さすぎて固定するのが課題です。いつか達成できたら記事にしたいです。

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