2015年12月12日

ブロンプトンで峠越え(2) 當麻寺 ~ 石光寺 ~ 今井町


竹内峠まで何とか登り切り、奈良県に入ります。目指すは街道終点の長尾神社‥‥ではなく、まず當麻寺と石光寺。特に後者の寒牡丹が本日のお目当てです。


前回の続き、竹内峠から豪快なダウンヒルになるわけですが、実際の街道は国道に絡みつくように周囲を蛇行しています。自然道ですから当然のことで、後から山を削って国道を真っ直ぐ通したわけですね。上の写真は右側が国道で、左側が本来の竹内街道。


毎度のごとくカメラ補正が入って明るく見えますが、実際は太陽の光が全く届かない薄暗い道です。気温もかなり低いようで、今日初めて寒さを感じました。舗装こそされていますが、枝葉が大量に落ちていてソロソロと徐行で降りて行かないとスリップ必至です。


再び国道に合流。陽の光が暖かい~。しかしこちらは大阪側を凌ぐ激坂です。奈良方面からの峠越えは私には絶対無理。


途中、国道=街道を離れて當麻寺方面へ。南大阪もそうですが、奈良も池がホント多いですよね。対岸の紅葉が眩しいです。


そして當麻寺到着。オフシーズンと言うこともありますが、外国人観光客はおろか、日本人すらほとんどおりません。牡丹が見頃になる初夏とかどうなんでしょうね。


そんなわけで、のんびりと拝観。當麻寺は広い敷地の中にいくつもの院(真言宗と浄土宗)が混在しており、それぞれ300円程度の拝観料が求められます。が、上の本堂などにお参りする分には無料です(中に入るには要拝観料)。


お寺にしては読みやすい御朱印です。でも素敵。


さらに奥に進むと「奥の院」入口です。有名な牡丹の庭があるのはこの奥ですが、今は「紅葉の寺」と看板が上がっています。どうやら紅葉にギリギリセーフ。入口で入場料を払い、御朱印帳も預けて中へ。


オフシーズンなので花は何もありません。並んでいる鉢は恐らく蓮。


しかし紅葉は圧巻ですし、これはこれでひなびた良い感じです。広い庭園では庭師の方々が剪定など、手入れに勤しんでおられました。


池の水際によると、餌をもらえると思ったのか鯉がうようよと寄ってきます。何にもねーよ。


うーん。


見事!!


預けていた御朱印帳を受け取り、當麻寺を後にしました。牡丹の季節に来たら、西南院なんかも回ってみたいところです。


東に延びる雰囲気抜群の坂を下り、當麻寺に来たら定番らしい中将堂本舗へ。寺は閑散としていましたが、こちらはひっきりなしにお客が出入りしていました。名物よもぎ餅が残り少なくなってきているとかで、先に持ち帰り分を注文して席に。


よもぎ餅セット300円。今日はスイーツばかりですね。甘さ控えめのよもぎ餅も美味しかったですが、やはり疲れていたのか煎茶が感動する程美味かったです。

お土産分を受け取り、北にある石光寺を目指します。


石光寺に到着。


拝観料400円也。もちろんこれとは別に御朱印代が300円。神社と違ってお寺巡りはお金がかかります(涙)。


庭には蓑笠をかぶった寒牡丹がたくさん植えられています。色によって咲く時期が微妙に異なるらしく、半分くらいは萎れていたりつぼみだったりしました。このクロユリのような色をしたボタンが印象的。


庭は思ったよりかなり広く、牡丹の数もかなりのものでした。高価そうなカメラを持った年配の方々が庭を回りながら写真を撮りまくっていました。こういうときは本格的なカメラが羨ましい。


見応えのあったものを並べますね。



虫にとってもこの季節の椿は恵みなのでしょう。







庭の外周には普通の椿なんかもたくさん植えられています。


赤色が眩しい南天の実。「難を転ずる」とされ縁起が良いそうです。


よく似てますがこちらは鈴なりになるマンリョウ。はい、「万両」ですから経済方面で縁起の良い植物ですね。これまたよく似た「千両」は上向きに実がなることでで区別します。


紅葉と万両の美しいコラボ。


もちろん、普通の椿だって負けていません。青空をバックに咲き誇っていました。


受付のお婆ちゃんに預けていた御朱印帳を返してもらい、寺を後にしました。ここも4~5月に来ると別の花が凄いらしいので、来年また来ようかな。


南下して再び竹内街道に。といっても、もう終着点です。


その終着点にある、長尾神社。街道から来ると鎮守の森の外側をぐるーっと東側の鳥居まで回るのですが、この長尾の森がけっこう雄大で外から見ても圧倒されました。


本殿にて。こちらも人が少なく、静かです。奥に見えるのが長尾の森。入ったら出られなくなりそう。


御朱印は作り置き(失礼!)


本日の寺社巡りは以上。寺社仏閣は午後4時が定時と思って回らないといけません。今日最後の目的地、今井町へと向かいます。


国道166号線をひたすら東に、見上げれば一面のうろこ雲。写真ではその迫力の100分の1も伝えられませんけれど。


走っていて一番気持ちが良いのは、こういう川沿いの道ですね。川というか運河っぽかったですが。


今井町に入ると、周辺の雰囲気が一気に変わります。江戸時代からの建築物を数多く残す、重要伝統的建造物群保存地区だそうです。ところどころ工事中らしいビニールに覆われていましたが、真新しい木の臭いが漂ってくるところがいかにもという感じでした。


そんな今井町のほぼ中央に位置する、町家茶屋古伊


18世紀前半に建てられてから修繕を重ねつつ現在に至るという店内は雰囲気抜群。しかも貸し切り状態でした。テンション上がります。


またしてもスイーツ!いや、もう少ししたら晩ご飯の時間でしたし、TPO的にはこれしかないかなぁ、と。ボリュームは控えめでしたが、塩昆布が地味に嬉しかったです。


そのまま近鉄大和八木駅まで走り、輪行で帰りました。


こちらの帰りルートの常として、布施で途中下車して Cat Cafe 鮪 へ。懐に忍ばせたシーバを取り出せば瞬く間に憩いの場が血で血を洗う戦場に。



争え‥‥もっと争え‥‥。



が、何分寒い季節なので(部屋は十分暖かかったですが)、ひとしきり暴れるとみんなそれぞれの位置に戻って暖を取るのでした。上はソファのホットカーペット組。他にファンヒーター組と、長毛組はさすがに寒い入口近くでも平気で丸くなっていました。

膝猫、しもくサン(上の黒猫)は上手に膝に乗っていたのですが、カーペットの温もりと相まって寝落ちしてしまいそうでしたので、同じく寝落ちしそうな店主に見送られて帰路に就きました。

今回の総括。楽しかったけど、もう峠はやめておきます。でもまた懲りずにどこか行くんでしょうねぇ。

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